さて、今回もルビプロストン、リナクロチド、エロビキシバットについて、考えていきましょう。
前回は、用法を中心にみてきましたが、今回はまず、肝機能障害、腎機能障害を有する場合の添付文書上の表現を比べていきます。
ルビプロストン
・中等度又は重度の肝機能障害(Child-Pugh分類クラスB又はC)のある患者では、1回24μgを1日1回から開始するなど、慎重に投与すること。
・重度の腎機能障害のある患者では、患者の状態や症状により1回24μgを1日1回から開始するなど、慎重に投与すること。
リナクロチド
・特に記載なし
エロビキシバット
・胆道閉塞や胆汁酸分泌が低下している患者等では効果が期待できない場合がある。
こう並べてみると、ルビプロストンには、肝機能障害や腎機能障害を有する場合に、投与開始時の用量に関する注意事項が設けられていることが分かります。
一方、エロビキシバットは、肝臓から分泌される胆汁酸が効果発現に重要な役割を果たしますので、胆道閉塞や胆汁酸分泌の低下例では、効果が期待できない場合があるのも納得ですね。
次に、副作用についてです。
前回も用法のお話のときに、副作用が少し出てきたかと思いますが、それも踏まえて比較していきましょう。
まずは、添付文書上、5%以上で発現がみられた副作用です。
ルビプロストン・・・下痢(30%)、悪心(23%)、腹痛(6%)、胸部不快感(5%)
リナクロチド・・・下痢(11.6%)
エロビキシバット・・・腹痛(23.2%)、下痢(14.4%)
いかがでしょうか?
下痢は、緩下剤の特性上、一定の割合で起こり得ることは理解できると思いますが、エロビキシバットについては、下痢よりも腹痛の頻度が高いのが特徴ですね。
これは、胆汁酸が大腸内で水分分泌量を増加させるとともに、蠕動運動を促進する作用を持つことも関係していると考えられます。
さらに、1~5%未満の割合でみられた副作用についても見ておきましょう。ここでは、消化器症状以外の副作用にも注目してみます。
ルビプロストン・・・頭痛、動悸、呼吸困難、消化器系(腹部不快感、腹部膨満、嘔吐)
リナクロチド・・・消化器系(腹痛)
エロビキシバット・・・肝機能異常、浮動性めまい、貧血、CK増加、消化器系(下腹部痛、腹部膨満、悪心、上腹部痛、腹部不快感、軟便)
こうして並べてみると、ルビプロストンの呼吸困難には、特に注意が必要ですね。
一説には、代謝産物が、肺の上皮細胞にある嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)を刺激することが一因とされます。この刺激によって肺胞上皮でのCl−イオン分泌が促進され、その結果、二次的な水分流入が生じて肺胞内に分泌物が蓄積し、正常なガス交換と肺の機械的機能が妨げられるため、呼吸困難や頻呼吸などの症状が誘発されると推察されています。
この呼吸困難は、初回服用後1時間以内に起こる可能性があるとされており、一般的には数時間以内に消失するとされています。
ただし、まれにアナフィラキシーによる呼吸困難の可能性も考えられるため、このような症状が現れた場合には、速やかに医療機関へ相談するよう伝えておくことが大切です。
また、ルビプロストンは軟カプセル剤であり、カプセルの基剤にはゼラチンが使用されています。ゼラチンに対するアレルギー歴がある場合には、この点にも注意が必要ですね。
次に、エロビキシバットですが、肝機能異常が副作用として報告されていることは覚えておきましょう。
ここまで、2回にわたって、ルビプロストン、リナクロチド、エロビキシバットについて触れてきました。いかがでしたでしょうか。
似ているようで特徴が異なることを頭に入れつつ、日ごろの業務に活かしてもらえればと思います。
それでは、また次回まで。さようなら。