漢方のミカタ⑦

『漢方のミカタ』第7回です!

これまで、「陰陽」「寒熱」「虚実」と、漢方において「証」を考えるためのさまざまな要素を見てきました。
さて、今回は少し視点を変えて、「気・血・水(き・けつ・すい)」について見ていきたいと思います。

「気・血・水」。
漢方では、これらの3種の流体が巡行し、生命活動を行っていると考えます。

なにやらいかがわしい雰囲気・・・と感じている人もいるかもしれません。
しかし、以前にもここで書きましたが、漢方を理解する上では、漢方理論に寄り添うことが何よりも大切です。
ここでは、我々の身体は気・血・水が巡行していると思ってください。

漢方では、気・血・水、これら3つが適切な状態に保たれ、滞りなく巡っていることが、健康な状態を保つうえで大切だと考えられています。

では、それぞれ何を意味しているのでしょうか。

まず「気」です。
「気」とは生命活動を行う上でのエネルギーです。 「元気」「気力」「やる気」など、私たちが普段何気なく使っている言葉にも「気」が入っていますよね。目には見えないものですが、身体を動かしたり、生命活動を維持したりするために必要なものとイメージすると、少し理解しやすいかもしれません。

次に「血(けつ)」です。
「血」と書くので、西洋医学でいう「血液」を思い浮かべるかもしれません。
しかし、漢方における「血(けつ)」は、単に血液そのものを指しているわけではなく、全身を巡り、生命に栄養や潤いを与えるものとして捉えられています。

そして「水(すい)」です。
「水」は、血(けつ)以外の体液を広く捉えた概念です。
例えば、唾液や涙なども「水」に含まれます。ただし、西洋医学でいう「体液」とまったく同じ概念ではありません。

このように、「気」「血」「水」はそれぞれ異なる役割を担っていますが、重要なのは、これらがただ存在していればよいわけではないということです。
不足していたり、うまく巡らず滞っていたりすると、身体にさまざまな不調が現れると考えます。

例えば、「気」が不足すれば「気虚(ききょ)」、巡りが滞れば「気滞(きたい)」、気が上向きに逆行すれば「気逆(きぎゃく)」と呼ばれます。また、「血」が不足すれば「血虚(けっきょ)」、血の巡りが滞れば「瘀血(おけつ)」と呼ばれ、そして「水」のバランスが崩れれば「水滞(すいたい)」と呼ばれる状態になります。

……また漢方用語が一気に増えてきましたね。 でも、ここですべて覚える必要はありません。

まずは、 「漢方では、身体の状態を『気・血・水』という3つの要素から捉える」 ということだけ頭に入れておきましょう。
そしてもう一つ大切なのは、「気・血・水」を西洋医学の概念に無理やり当てはめようとしないことです。
以前にもお話ししましたが、漢方の概念は、漢方の理論に寄り添って理解することが近道です。
「血=血液」「水=体液」と単純に置き換えるのではなく、まずは漢方独自の身体の捉え方として理解してみてください。

さて、今回は「気・血・水」の全体像について見てきました。 次回からは、この3つをもう少し詳しく見ていきたいと思います。
まずは「気」から。 「元気」の「気」と考えると簡単そうですが、実はなかなか奥が深いんです。 では、また次回お会いしましょう。

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