書評-本好きさんのコラム-:「いい子症候群の若者たち〜先生、どうか皆の前でほめないで下さい〜」金間大介

 今回は小説ではなく、大学の教授が執筆された一冊をご紹介します。

 題名から察するに、いわゆるZ世代やそれよりも若い世代のことを書いたものだとお分かりかと思います。

 この本は、金沢大学で教授を、東京大学で客員教授を務めていらっしゃる先生が執筆された本で、ご専門はイノベーション論やマーケティング論、他に教育や人材育成の業界でもご講演されているようです。

 私が出会ったのはどこかの学会の口頭発表だったかセミナーだったか(忘れてしまってすみません)。聞いた時に衝撃を受けたのは、この著書に書いてある言葉「先生、どうか皆の前でほめないで下さい」でした。人前で褒めるのは「圧」だと言うのです。自社の人材育成やマネジメントについてはいつも頭を抱えていますので、何かヒントになるかもしれないと思ってすぐに先生の著書を何冊も取り寄せて読み漁りました。

 中でも今回この紹介する書籍に書かれていたことは、なかなかに想像を超えている若い世代の考え方が綴られており、非常に勉強になりました。興味のある方はぜひ本書を読んでいただきたいのですが、著者が普段目にしている学生とのやりとりが具体的に記載されているところが、一般論的に語られている書籍とは一線を画しているので非常に面白いのです。

 例えば、ホールケーキが目の前にある時、11人で分けるとしたらうまく切れずに悩みます。この時若い世代の皆さんは、少なくなった人に申し訳ない、あるいは可哀想と考えて悩むのではなく、多くなった人の気まずさに配慮するというのです。この絶妙に数ミリだけ違う角度から物事を判断することへの違和感を同世代の方なら理解していただけるのではないでしょうか(私は1980年代前半生まれです)。
 他にも、食べるメニューですら自分で「決定する」ということ自体に大きなストレスを感じているだとか、「意識高い系」と言う言葉は直接的すぎて使いづらいので「すごい人たち」と言う表現が適しているだとか、若手が活躍できる会社=ブラックという共通認識があるとか、これらを知っておかないで若い世代のマネジメントをしようとすること自体不可能なのではと思えてしまいます。

 こう言った類の本を読まない方でも、世代間ギャップについて知っていて損はないのではないでしょうか。あるいは会社で人事の仕事をされている方や、新卒採用をされている方は必読だと思います。
 Z世代との仕事について悩んでいる中小企業に出向いて研修をやらせていただいていますが(宣伝になりますが、ぜひご依頼ください、面白いお話しさせていただきます♪)、金間先生のお話は、それらの大きなヒントになりましたので、この場を借りてお礼申し上げます。

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