「コーヒーは健康にいい」という話を聞いたことはありませんか?
実際、これまでの研究では、適量のコーヒーを飲む習慣は、2型糖尿病、肝臓病、心血管疾患などのリスク低下と関連することが報告されています。
こうした研究によって、コーヒーと健康との関係について科学的な知見が蓄積されつつあります。コーヒーの現在地としては、「健康上のメリットがありそうだ」ということでしょう。
では、その健康効果はカフェインのおかげなのでしょうか?
実は、そうとは言い切れません。
コーヒーにはカフェインだけでなく、クロロゲン酸をはじめとしたポリフェノールなど、さまざまな成分が含まれています。そのため、「コーヒーは健康にいい」と言われる理由を、カフェインだけで説明することはできないのです。
実際、カフェインをほとんど含まないデカフェコーヒーでも、一部の疾患リスクの低下との関連が報告されています。このことからも、コーヒーと健康との関連はカフェインだけでは説明できず、カフェイン以外の成分が関わっていると考えることもできるでしょう。
さらにいうと、カフェイン自体、健康目的で積極的に摂取することが推奨されている成分ではありません。
ただし、皆さんご存じの通り、カフェインには眠気を和らげたり、集中しやすくなったりする働きがあります。そのため、勉強や仕事、長時間の運転などで役立つことがあるのも事実です。
一方で、摂り過ぎると不眠や動悸、不安感、手の震え、胃の不快感などを引き起こすこともあります。
日本では、健康な成人に対するカフェインの摂取上限量は設定されていませんが、海外の一部機関では摂取量について目安を示しているところもあります。
例えば、カナダ保健省(Health Canada)では、健康な成人について、1日400mgまで(コーヒーをマグカップ〈237mL入り〉で約3杯)という摂取量を示しています。
ただし、カフェインによる身体への影響には大きな個人差があることが知られています。
夕方にコーヒーを飲んでも問題なく眠れる方もいれば、昼過ぎの1杯でも寝つきが悪くなる方もいます。これは、カフェインを分解する速さや、カフェインに対する感受性に個人差があるためと考えられています。
そのため、「何杯までなら大丈夫」という量は人それぞれです。400mgという数字はあくまで一般的な目安であり、体調や睡眠への影響をみながら、自分に合った量を知ることも大切です。
では、普段飲んでいる飲み物には、どれくらいカフェインが含まれているのでしょうか。
日本食品標準成分表などをもとにした、100mLあたりのカフェイン量の目安は次の通りです。
〈カフェイン量の目安(100mLあたり)〉
- コーヒー:約60mg
- 紅茶:約30mg
- 緑茶(せん茶):約20mg
- 烏龍茶:約20mg
- ほうじ茶:約20mg
- 麦茶:0mg
- ルイボスティー:0mg
カフェインはコーヒーだけではなく、緑茶や烏龍茶、紅茶にも含まれています。一方、麦茶やルイボスティーなど、カフェインを含まない飲み物もあります。
また、エナジードリンクにもカフェインが含まれていますが、その量は製品によって異なります。飲む際には、パッケージに記載されたカフェイン量を確認してみましょう。
コーヒーやお茶についても、実際のカフェイン含有量は、豆や茶葉の量、種類、抽出時間、淹れ方などによって変動します。上記の数字はあくまで目安として捉えてください。
「コーヒーは好きだけれど、カフェインは控えたい」という方は、デカフェコーヒーを選ぶのも一つの方法です。
コーヒーは嗜好品です。
ちょっとした息抜きに、コーヒーの味や香りを楽しむ。
いつもの休憩時間が、ちょっとした至福のひとときに変わる。
カフェインの量や自分の体質にも気を配りながら、毎日の生活の中で上手にコーヒーを楽しんでいきたいですね。