漢方のミカタ④

さて、『漢方のミカタ』第4回です。

 前回は、証を理解する重要性をお話しました。すこし補足すると、西洋医学の概念は西洋医学の理論に則って理解することが近道であるように、東洋医学の概念も東洋医学の理論、すなわち、漢方であれば漢方の理論に則って理解することが近道ということです。

 では、本日はというと、証について少し深堀していきます。ただ、あまり深く掘ってしまうと、ドロップアウトする方も出てきてしまうと思うので、いい具合のところまで掘っていきます!

 そもそも証を立てるのに重要な要素として、「陰陽」「寒熱」「虚実」などがあり、さらには「五行論」「気血水」などを駆使して、証を立てつつ、漢方処方を決定していくのが通常の流れです。

 これらの言葉を目にするだけでめまいがする方もいるかもしれませんが、一旦、西洋医学のことは頭の片隅に置いておいて、漢方理論に寄り添って考えていきます。

 「陰陽」「寒熱」「虚実」。どれも、対照的な意味をもつ熟語ですね。これらは、陰陽論が土台になっています。陰陽論とは、世の中のものを2つのものに分けて考えるという二元論に基づいています。あまりにも極端な理論ではあるのですが、この陰陽の一部の考えが、漢方の病的な理論に直結しているのです。

 まずは「陰陽」です。
 例えば、漢方で「陽」とはどういう状態なのか?我々は日本人であるため、漢字からある程度連想できるのが強みですよね。太陽の「陽」だし、陽キャの「陽」。そう、「陽」とは、熱をもち、外に向かっている状態。では、「陰」とはその逆で、冷たく、うちに向かっている状態をイメージしてもらえればいいかと思います。

 ではこの「陰陽」、いつ使うのか?
 その代表的な場面として「病の進行段階(病期)」があります。その病期は、太陽期→陽明期→少陽期→太陰期→少陰期→厥陰期といった段階を踏んで進行すると考えられており、これがいわゆる六病位です。前半が「陽」の病期、後半が「陰」の病期ということですね。ただ、この「陰陽」の考えに基づく六病位は、多くの場合、急性期疾患において用いられるものであり、一般的な薬局薬剤師が患者の状態から六病位を判断するのは不可能に近く、このような判断軸で考えるのは医師の中でも漢方に精通した医師に限られます。

 次に「寒熱」です。
 寒熱はそのままの意味ですね。寒いのか、熱いのかという意味です。これはとても大切な観点で、実は、漢方処方やそれを構成する生薬の多くは、四温(熱性、温性、涼性、寒性)のいずれかに属しています。そして、患者さんの「寒熱」の程度によって、選択される漢方処方が異なる場合もあることを知っておきましょう。

 さて「虚実」ですが、「虚実」はもう少し奥が深いので、次回に回したいと思います。
 少しずつ少しずつ理解を深めていただければと思います。ではまた次回お会いしましょう。

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